【MfYS】ボランティアは善の善なるものではない

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Mail from Yamato Suga
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須賀です。

ボランティアでなにかをすることが、高尚なものだと思っている人がいます。

そういう場合もあると思いますが、僕はそうでないケースがあると知っています。

それがどんなケースか?

ボランティアによって「雇用が奪われる」ケースです。

これは何年も前のケースなので、今は状況が改善されているかもしれませんが、ひとつの例として読んでください。
日本体育協会が育成し、認定している資格の中に「アスレチックトレーナー(以下AT)」というものがあります。
これは、アスリートがケガをしたときに、最適なリハビリテーションメニューを施し、復帰をサポートするだけでなく、ケガをする前の状態よりもパフォーマンスを高めることができるという、言わば「リハビリテーションの専門家、エキスパート」なのです。

ところが、彼ら、彼女らは、長い期間の研修と基準の高い試験をパスし、資格を取得したとしても、満足な収入が得られる職場を得られません。 理由は、仕事がないから。

いや、本当のところを言うと、ATを必要としているクラブは多いのです。
ですが、仕事としてATを雇うだけの経済状況が伴っていない。
クラブにお金がない。

そこで、ATの人たちはどうするかというと、せっかく時間とお金をかけて学んだ知識とスキルを活かし、さらに実地でスキルアップするために、「ボランティアでもいいのでやらせてください」という提案をせざるをえなくなる。

で、どうなるかというと、ATはボランティアでスキルをさらに磨いて、いざ報酬を得られるところに営業をかけたとしても、「いや、うちにはボランティアでやってくれてる人がいるから」と断られてしまう。

そういう連鎖が起きている(いた?)そうです。

「ボランティアでもいい」と言ったことで、自分で自分の首をしめているとも言えます。

僕もそうですが、自分の知識とスキル、経験が「まだ充分ではない」と考えていることが、最大の足かせになります。

昨日のセミナーで井口さんもおっしゃっていましたが、「まだ充分でない」という思い込みは、役に立ちません。

すでに自分は、誰かがお金を出してでも欲しいと思っている知識やスキルを持っている。
それを堂々と、自信を持って発信して、契約を取り、その契約に見合うように自分に負荷をかけて成長させていく。

順番が逆じゃないの?と思うかもしれませんが、成長のスピードはこのほうが早い。

なぜかというと、お金を先に得てしまえば、否が応にも、その分だけ自分を成長させなければとプレッシャーがかかるからです。
だから、さらに集中して学ぶ姿勢ができる。

それから僕が最近ちょっと危惧していること。

セミナーの運営にはボランティアクルーが多くいます。
運営上は、すごくありがたい存在です。 感謝すべき存在。

ただ、ボランティアクルーというのは、その都度都度でタイミングが悪ければサポートしてもらえないこともあったりするわけで、言ってみれば気まぐれな存在。

ってことは、長い目で見ると、セミナー運営の知識とスキル身につけ、専門的にやってくれるような人材はなかなか育ちません。
現に、高級ホテルのコンシェルジュのようなセミナークルーというのは、まったく存在していないのです。
講師のどんな要望でも解決して、受講者への影響力を高めてくれるような人。

需要はあるのに。
いてもいいはずですよね?

改善の余地がある分野だと考えています。

ただ、そこにはひとつ問題が。
実際にそうやって、セミナーコンシェルジュのように動き回っている人には、同じようにできる人を育てる時間がない。 忙しすぎて。

なんとかならんもんですかね。

というかですね、僕がいつも思うのは、ボランティアに協力してもらわないと成り立たないようなイベントやらセミナーやらというのは、価格設定を考えなおすとか、なんかそういう根本的なところから考えなおす必要があるんじゃないの?ということ。 ビジネスとしてちゃんと成り立つような方法でやらないと、長くは続かないし。

ただ、そのボランティアが間接的に利益を得ているというケースはまた別ですが。

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