楽しいということ。

 
須賀です。

今日もエーリッヒ・フロムさんの
『愛するということ』から。

いきなり引用です。

・・・

今日の人間の幸福は「楽しい」ということだ。

楽しいとは、何でも「手に入れ」、消費することだ。

商品、映像、料理、酒、タバコ、人間、講義、本、映画などを、
人々はかたっぱしから呑み込み、消費する。

世界は、私たちの消費欲を満たすための一つの大きな物体だ。

大きなリンゴ、大きな酒瓶、大きな乳房なのだ。

私たちはその乳房にしゃぶりつき、限りない期待を抱き、
希望を失わず、それでいて永遠に失望している。

いまや私たちの性格は、交換と消費に適応している。

物質的なものだけでなく精神的なものまでもが、
交換と消費の対象になっている。

・・・

言われてみると、そうじゃありませんか?

楽しい、という感情を引き出されるように、
大衆操作されているってことです。

なぜか?といえば、
そうすることで、資本主義社会がまわるから。

たくさん消費してもらわなければ、
資本家は儲からない。

楽しいことが人間の幸福なのだ、
消費することは楽しいことだ、
どんどん消費しよう、と煽られている。

本来は別に、日々が楽しくなくてもいいはず。

充足感があればいい、という人もいるし、
安心感の中で暮らしたい人もいるし、
静けさの中にいたい人もいるわけです。

そういう人はそういう人でいいのに、
世間では、楽しい人生が幸福だと
叫ばれているってこと。

普段は意識することがなくても、
いつの間にか勝手に方向づけされている、
そういうことって多いです。

自分自身の価値観、軸のようなものがなければ、
人っていとも簡単に操作されてしまうもの。

自分の興味関心、好みの元はどこにあるのか?

本当に自分の内側から湧き上がってきたものか?

そういうこと、ちょっと意識してみても
いいのかもしれません。

そうすると、自分がどういう選択肢を持って、
何を取り入れていったらいいのか?について
あらためて考えることができるはず。

周りがどうだから?
テレビや雑誌やネットに書いてあるから?

もちろん、
僕もこの本に影響を受けているわけで、
自覚を持って思考と行動を管理していくことが
大事だなと思うわけです。

いかがでしょう?

では、また。

 

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