須賀です。
あなたのやり方、間違ってるかもしれません。
と、言われたら、どう感じますか?
おそらく、
「いやいや、間違ってないよ!」
と自信を持って反論する人は少数派です。
たいていは、
「え!? どこが?…」
と、不安になるもの。
人は、「間違い」に対する恐怖を
いつの間にか植え付けられているので、
この単語に過剰に反応してしまいます。
こういう、特定の感情を自動的に引き出す
単語のことをトリガー単語と言いますが、
広告の表現の中ではよく使われます。
というのも、広告って、まずは目を引き、
「それってどういうこと?」と、興味を
持ってもらわなければ、商品の詳しい情報まで
見てもらえません。
なので、入り口となる表現では、こういった
刺激的な言葉を選ぶ必要があるのです。
で、この間違い、について。
多くの人は、正しい、間違っている、の基準を
どこからか受け継いでいます。
誰かの基準をいつの間にか信じているってこと。
自分自身で定めたものではないのです。
大小さまざまなものがあります。
例えば、僕の基準では、
あくびをするとき、口を手でおさえないのは
間違いです。
でも、公衆の面前で何も気にせず大口を
豪快にあけっぱなしてあくびをする女性が
いるものです。
不思議でしかたがありません(笑)
それを指摘すると、
「わかってるんだけどね(笑)」
みたいな反省のない反応になる。
それはしかたがないことだとして、
同時にこの女性はある場面では、
「鞄は床に直接は置かない」みたいな
お嬢様育ちみたいなことも言います。
はたから見るとバランスが取れていないように
思うのですが、本人としてはまったく問題は
ない、ということになります。
じゃあ、どういう人間像が正しくて、
どんなのが間違っているのか?
もうおわかりかと思いますが、
これに答えはありません。
十人十色としか言いようがない。
みんな違って、みんないい、
ってやつです。
本当のところはそうだと思います。
でも、だとしても、人は、
「間違ってますよ」にどうしても
反応してしまうのです。
なぜか?
間違っているのは良くないことで、
正しい方法に改善すべきだ、と、
どこかで信じ、不安になっているから。
マーケターは、この不安を突いてきます。
だまされないようにしてください。
広告に「間違ってるかも」と言われたら、
余計なお世話、と心の中で答えてください。
でも、きっと、ちょっと気になると思います。
そしたら、中身を見てみてください。
全体の一部には、もっともらしいことが
含まれていないともかぎりません。
重要なのは、盲信することでなく、
一歩引いた視点で見てみることです。
本当に間違いなのかどうか?確かめてみよう、
ってスタンスがちょうどいいのでしょう。
広告表現、よく見て、考えてみてください。
では、また。
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